夏、来たる。

蒸し暑い。

所々で蝉が鳴き始めた。
いよいよ夏が到来する。


大学院生活が始まり、早4ヶ月が経とうとしている。
大学生活4回生の頃と何の変わりもない生活だ。


唯一変わったことと言えば、後輩ができたこと。
「あの山田が先輩かぁ」と研究室の先輩方からよく言われる。その通り。研究室では常に下っ端だった僕にも、ついに下の学年ができたのだ。
しかし、関西学生ボート連盟では水路部長をやっており、こう見えて大勢の後輩たちを動かしてきた。もちろんそこでは一番上だった。
環境別によって一番下の立場から一番上の立場まで経験してるのだと思うと、ギャップが大き過ぎて感覚がよく分からなくなる。あるところでは偉そうに指示を出し、あるところではヘコヘコと穏便に生活する。振り幅が大きい。


6月はほぼ1ヶ月間、愛媛県御荘でダイビング調査をした。途中で一旦実家に帰ったりしたので、滞在期間は正確には20日ほどだが。
1年前の調査はダイビング本数が10本もいっていない状態だったため、かなり迷惑をかけた。新品のウェットスーツなので沈まないし、中性浮力は取れないし、動くたびに砂を巻き上げた。調査に不向きだなと思った。悲しいことに。
でも先生や先輩が親切に指導して下さり、2人の動きを真似してると徐々に上手くなっていった気がした。とりあえず邪魔だけはしないように、と必死だった。
それから1年。極寒の潜水講習を受け、未消化メニューを消化し、ブランクを埋め、何とか単独潜水できるようにまでなった。1人でビデオ設置もできるようになったし、海中放尿も、海中脱糞もマスターした。潜っているとまだまだ先生にフィンの使い方や中性浮力の取り方を注意されることはあるが、多分マシにはなってると思う。思いたい。
そして肝心の何本潜ったかは覚えてない。僕らしい。阿保だ。


来年から本格的に就職活動が始まるようだ。他人事のようだが。正直やる気はない。「やり甲斐」と「給料」と「休日」さえあれば何でもいい。面接で何を話せばいいかなんて全く分からないし、薬学部や化学バイオの人たちに敵う気は全くしないし、ましてやマクロの行動学なんて就活に全く有利ではない。武器は「理系脳」だけ。
今年はインターンにも行かないといけない。野外調査組はスケジュール的にかなり厳しい。9月もほぼ1ヶ月間調査に行くからだ。いくつ行けばいいのか、どの企業に行けばいいのか、何も分からない。終わっている。
来年の就活を見越して、今年で2年分の解析をやる予定らしい。マジでやばい。死んでしまう気がする。但し、今年頑張れば来年は水槽実験で遊んで、好きな時に潜りに行くだけだそうだ。研究生活も残り18ヶ月なので、汗水垂らし血反吐撒き散らしながら今年は精一杯尽力しようと思う。


そう言えば、1年間だけゴールデンの子犬の面倒を見ることになった。あまり詳しいことは言ってはいけない決まりなのだが、とにかく可愛い。ただしヤンチャ。手は穴だらけ、腕は傷だらけ。それでも可愛い。甘えん坊だ。その子の世話を手伝わないといけないので、しばらく実家から研究室に通うことにしている(これだけが理由ではないが)。短い期間ではあるが、どこにも負けないぐらいの愛情を注いでやるつもりだ。

「犬は愛おしい」という感情は、白と黒の毛むくじゃらから教えてもらった。共に暮らしていなければ、こんなことも思えなかったのだろう。本当にありがとう。


外を歩くと虫を多く見るようになってきた。
蝉、蝶、蛾、甲虫、その他諸々。
数多の命が栄える季節。最高だ。
でも暑い。蒸し暑い。

これから一段と暑くなるだろう。

暑くなければもっと夏が好きなのに。

と思う反面で、暑くなければ物足りないだろうと思う自分もいる。
あっという間に、夏が来る。


それではまた。

 

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